C言語は様々な製品の開発に使われる言語です。
ただ、C言語に馴染みがなければ、具体的にどんなことができるのかよく分からないと思います。
勉強しても将来役に立つのかな…
もしかしたら今、あなたもそんな疑問を持っているかもしれませんね。
この記事では、C言語がどんなことに使われているのかを具体的にご紹介し、C言語を勉強するのに向いている人はどんな人なのかを明確にしたいと思います。
あと、おまけとして
- C言語の勉強方法
- C言語を学ぶ時に一緒に学ぶべき知識
この2つについてもお話していきます。
この記事を読めば、C言語を勉強するべきなのかハッキリします。
ぜひ最後まで読んでみてください。
C言語を使ってできる5つのこと

C言語は世の中を便利にする様々な製品の開発に使われています。
C言語を使ってできることの具体例としては、
- 自動車の開発
- 家電製品の開発
- IoT製品の開発
- 産業ロボットの開発
- 家庭用ゲーム、アーケードゲームの開発
が挙げられます。
これ以外でも色々な場面で使われますが、代表的なものとしては、ここに挙げた物になります。
それでは、それぞれの開発についてどのような場面でC言語が使われているかお話していきます。
1. 自動車の開発
最近の車は、安全性や利便性を高めるため、多くのものがプログラムにより制御されています。
例えば
- エンジン
- 自動スライドドア
- スマートキー
- イモビライザー
- 自動ブレーキ
- カーナビ
などがその例になります。

車を利用する中で、普段、何気なく使っている機能はプログラムにより制御されているのです。
そして、これらのプログラムの多くはC言語を使って開発されています。
2. 家電製品の開発
家電製品にもプログラムは使われています。
家電ってプログラムが動いているイメージがあまりないですね…
そんなことありませんよ!実はあらゆる場面で使われているんですよ!
例えば
- 洗濯機
- エアコン
- テレビ
が、その一例になります。

洗濯機は、洗濯、すすぎ、脱水などの一連の動きを全自動で行っています。
エアコンは、部屋の温度を管理して常に部屋を快適な温度にしてくれます。
テレビは、リモコンと通信をして、音量を変えたりチャンネルを変えたりしています。
これらの操作は全てプログラムで行われています。
私たちが何気なしに行っている操作の裏ではプログラムが動いているということです。
そして、このプログラムの作成にもC言語が利用されています。
3. IoT製品の開発
IoTとは「Internet of Things」の略で、あらゆる物をインターネットにつなぐ仕組みのことです。

例としては、
- ネットに接続した家電製品
- アレクサ、Googleホームなどのスマートホーム
などが挙げられます。
これらのIot製品の開発にもC言語は使われます。
C言語は、もともと家電製品の開発に使われていましたが、IoTが注目されるようになって需要がさらに高まりました。
C言語関連の求人を見ても、IoT製品の開発も多く見受けることができます。
4. 産業ロボットの開発
産業ロボットとは、工場のライン作業などで使われる大型のロボットのことです。

これらロボットの開発にもC言語が使われています。
例えば、ライン作業において、
- 大量のネジを正確に締める機械
- 重たい物を移動させる機械
- 食料品の袋詰めをする機械
など、産業ロボットはあらゆる製品の生産に使われています。
産業ロボットがあることで、大量の製品を早く正確に作ることができるようになります。
それにより製品コストが下がり、商品の値段も下がって、私たちは高品質な製品を安い値段で手に入れることができます。
結果として暮らしがどんどん豊かになっていきます。
このように、C言語は回りまわって私たちの暮らしを豊かにする手助けをしています。
5. 家庭用ゲーム、アーケードゲームの開発
C言語は、家庭用ゲームやアーケードゲームの開発にも使われています。

ゲーム開発というとC++やC#という言語による開発が多いですが、C言語が使われる場面もあります。
ただ、1から10まで全てをC言語で開発をするというわけではなく、ゲーム開発の一部でC言語を使うというイメージになります。
そのため、C言語の求人を調べてもゲーム開発は見つけることができません。
C言語を学ぶべき人の特徴

それでは、次は「どんな人がC言語を勉強するべきか?」という疑問についてお答えしたいと思います。
まず、結論としては、ロボットや機械の開発をしたい人はC言語を勉強するべきです。
ロボットや機械の開発をしたい人
逆に、「スマホアプリの開発したい人」、「ゲームを開発したい人」、「WEBサービスを開発したい人」はC言語はやめて他の言語を選んだ方がよいでしょう。
スマホアプリの開発したい人
ゲームを開発したい人
WEBサービスを開発したい人
それでは、それぞれについてもう少し詳しくお話していきます。
C言語を勉強するべき人
ロボットや機械の開発をしたいと考えている人は、C言語の勉強をするべきです。

例えば
- どんな家でも使える自動お掃除ロボットを開発したい
- 自動運転の開発をしたい
- 介護を楽にするロボットを開発したい
というように、機械やロボットの開発に興味がある場合はC言語がオススメになります。
理由としては、ロボットや機械に使うプログラムの多くにC言語が使われているからです。
例えば
- カーナビ
- IoT製品
- 介護ロボット
など、パソコンやスマホ上で動くプログラムではなく、ロボットや機械に搭載するプログラムでC言語は使われています。
プログラマーとして「物を作る」仕事がしたい時はC言語を勉強しましょう。
C言語を勉強しない方がいい人
スマホアプリの開発、ゲーム開発、WEBサービスの開発をしたいのであればC言語を学ぶべきではありません。

例えば
- スマホアプリを作ってお小遣い稼ぎをしたい
- 自作のスマホゲームを公開したい
- 自分でSNSサービスを作って運営したい
というように、パソコンやスマホ上で動くアプリやサービスを開発したいのであればC言語以外の言語を学ぶべきです。
理由としては、勉強をしても役に立つ機会がないからです。
教養やプログラミングの基礎知識という観点からすれば学んでおいて損はありませんが、直接、役に立つということはありません。
そのため、無理にC言語を勉強する必要はありません。
どんな言語で開発できる?
ちなみに、それぞれの開発で必要な言語は
スマホアプリ開発 | Java Swift Kotlin |
ゲーム開発 | C++ C# |
WEBサービス | Ruby PHP |
となります。
補足:テレワークがしたい人もC言語は不向き
もう一つ、テレワークがしたいという理由でプログラミングをするのであれば、C言語は学ぶべきではありません。
理由としては、C言語を使った開発ではテレワークをすることが難しいからです。
C言語を使った開発は、ロボットや機械に搭載するプログラムの開発が大多数です。
それらの仕事は、開発に大きな機材が必要になるため、自宅での作業が困難になります。
そのため、C言語を主として使うプログラマーは在宅率が低くなっています。
この理由から、テレワークがしたいというのであれば、C言語以外の言語を勉強した方が良いでしょう。
C言語を効率良く学ぶ手順

それでは、次はC言語を効率良く学ぶ方法をご紹介します。
C言語を勉強する方法としては、
- 独学をする
- プログラミングスクールに通う
の2通りがありますが、ここでは独学に焦点を当てて解説をします。
独学でC言語を学ぶには
- 文法を勉強する
- 電子工作をする
という順序で勉強をしていくとスムーズに学習ができます。
1. 文法を勉強する
まず最初にC言語の文法を勉強します。
文法は、
- 本
- 動画教材
を使って勉強をしましょう。
本と動画教材のどちらがオススメですか?
個人的な意見で言えば、合わせ技で勉強するのがオススメです。
本と動画にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
文法を勉強する時は、本と動画、それぞれの良いところを活かして勉強をするのがオススメです。
詳しい手順を教えてください!
文法を勉強する時は
- 本を使って基礎を勉強
- 動画で文法の復習
- 動画講座で実践形式の勉強
- 実戦形式で勉強をしながら本を使って分からないことを検索
という3ステップで勉強をしていきます。
1. 本を使って基礎を勉強
まずは本を使って基礎を勉強します。
最初に本を使う理由は、
- 自分のペースで勉強がしやすい
- 検索がしやすい
というメリットがあるからです。

初めてプログラミングを勉強する時はどうしても学習スピードが落ちます。
動画で勉強をする場合、自分の理解度に関わらず話がどんどん先へ進んでしまうので、なかなか理解ができないことも多々あります。
加えて、動画の場合、分からない時に聞き直そうとしても、丁度良い場所へ戻すのが困難です。
その点、本であれば、自分が理解できるスピードで学習を進めることもできるし、分からない箇所は簡単に何度も読み直すことができます。
これは例えるなら、学校の授業と家庭教師の違いみたいなものです。
学校の授業はあなたが理解しているかどうかに関わらずどんどん先に進んでしまいますよね。
それに比べて家庭教師はあなたが理解できていなければ何度でも繰り返し教えてくれます。
本は、あなたが理解しやすいペースで何度でも読み返すことができる家庭教師みたいな存在ということです。
初めて覚える言語は、理解できないこともたくさんあります。
そのため、最初は
- 自分のペースで学習がしやすい
- 検索をしやすい
という二つのメリットを備えた本で勉強をするのがオススメです。
2. 動画で文法の復習
本で文法を勉強したら、次は動画講座を使って文法の復習をしていきます。
本の後に動画を使う理由としては、本による学習で、ある程度の予備知識が付いた状態であれば、動画講座の学習ペースに付いていくことができるからです。

例えば、動画講座で知らない専門用語を使われると、その時点で話に付いていけなくなりますよね。
しかし、本である程度の専門用語を学んでいればそんな問題も無くなります。
動画で勉強をする時は、この「話に付いていける状態」を作ることが肝心です。
動画講座は、耳を使って学習ができるので理解しやすいというメリットがありますが、そもそも何の話をしているのか解らなければ意味がありません。
そんなことにならないためにも事前の予備知識が重要になります。
動画講座は、文字ではなく言葉で説明をしてもらうことができるので、文章よりもすんなり内容を理解することがでます。
本を読んで理解しきれなかった部分が、言葉で説明されることですんなり理解できるということはよくあることです。
動画の学習効果を最大限に出すためにも、本を読んだ後に動画で復習をするという形式がオススメになります。
3. 動画講座で実戦形式の勉強
動画を使って文法の復習をしたら、次は動画を使って実戦形式の勉強をしていきます。
動画を使って実戦形式の勉強をする理由は、プログラムを組み立てる手順を学ぶためです。
本を使って一つのアプリケーションを作成することも可能ですが、プログラムを書く手順は本では学習することができません。
動画講座の中でプログラマーの方が実際にコードを組み立てていく手順をみることは初めてプログラムを学ぶ時はとても参考になります。
そのため、初めて実践的なプログラムを作る時は本よりも動画を使って学習する方がオススメです。
最初はコードを書き写しながら作るだけでもいいので、ゼロから一つのプログラムを組み立ててみましょう。
そうすることでプログラムの組み方が分かり、一人で作成するための自信を持つことができます。
4. 実戦形式で勉強をしながら本を使って分からないことを検索
文法の勉強がある程度進んだら、次は実戦形式の勉強をしていきます。
実戦形式で勉強をする理由は、各文法を実践の中で使う方法を学ぶためです。
実戦の中でプログラムを書いていくと、書き方が分からなくなることがあります。
例えば、
- 条件で処理を分ける方法が分からない
- 割り算の余りを出す方法がわからない
などです。
このような時は、動画で検索をするよりも、本で検索をした方が早く効果的です。
そのため、実践形式の勉強では、本を使って検索をするのがオススメです。
■ WEBサイトで検索をしてはダメなのか?
WEBサイトで検索してはダメなんですか?
それでも問題ないですが、本の方が検索が早いと思いますよ。
解らないことはWEBサイトで検索をしても問題ありませんが、WEBサイトの場合、情報の質がサイトごとに異なるので、自分が理解できる記事を見つけるのに時間がかかることもあります。
その点、使い慣れた本であれば、使うほど検索のスピードも早くなるし、目的の情報に早くたどり着くことができます。
そのため、個人的にはWEBサイトによる検索よりも本による検索がオススメです。
■ 実戦形式で勉強する方法は?
実戦形式の勉強ってどんなことをすればいいんですか?
最初は簡単なコンソールアプリケーションを作るといいですよ。
C言語のアプリ作成は、コンソールアプリケーションと呼ばれる黒い画面に文字を出力するプログラムがオススメです。
黒い画面に文字を出すだけなので、楽しさはあまりありませんが、とても簡単に作ることができるので初心者向けです。
コンソールアプリであれば、挫折する可能性は限りなく少ないと思います。
初めは、数字を2つ入力して足し算や掛け算をするだけのアプリでも良いので、自分のできる範囲で開発をしてみてください。
私は、連立方程式を解くプログラムを開発しようとした覚えがあります(完成はしませんでしたが…)。
ここで大事なのは、完成させることではなく、自分で考えてコードを書くことです。
解らないことを検索しながら自分で考えてプログラムを書くことで文法の使い方を覚えていきます。
すぐに飽きてしまうかもしれませんが、つまらないと感じるまでは、何回もコードを書いて練習をしていきましょう。
補足:文法の勉強はほどほどに
文法を勉強するとなると、全ての文法を完璧に覚えないといけないと感じるかもしれませんが、その必要はありません。
文法は
- 代入
- 四則演算
- 条件分岐
- 繰り返し
この4つはマスターしておくべきですが、それ以外は、使いながら覚えていけば大丈夫です。
文法の勉強は使い方を覚えるというよりも、どんなことができるのか、という用途を覚えることを重視してください。
それさえ覚えておけば、あとは必要になるたびに検索をしながら書いていけば問題ありません。
文法の学習は長くやりすぎると飽きてしまいます。
文法は、アプリの開発や次にご紹介する電子工作の中で使いながら覚えていきましょう。
2. 電子工作をする
文法の勉強でC言語の扱いに慣れてきたら、次は電子工作をしてみましょう。
電子工作とは、自分で電気回路を組んで、LEDを光らせたり、赤外線通信をしたりする開発になります。
電子工作をすることでC言語を使って電子機器を動かすことに慣れることができます。
電子工作って難しそうですね。簡単にできる方法はないんですか?
開発キットを使うと比較的簡単にできますよ!
電子工作は色々な開発キットがありますが、初心者には「Arduino(アルドゥイーノ)」がオススメです。

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「Arduino」は電子工作キットの中でも有名で初心者向きになります。
ネット上に情報も多いので分からないことは簡単に調べることもできます。
電子工作は、文法の勉強に比べると難易度が高いですが、できるようになるとスマートホームなどのIoT製品を作ったり、エアコンやテレビのリモコンを開発することもできます。
ぜひ楽しんで開発をしてみてくださいね。
C言語を学ぶとき、一緒に学ぶとよいテーマは?

C言語を勉強する時は、一緒にハードウェアの勉強すると効果的です。
理由は、C言語を使った開発は、ロボットや機械などに組み込むプログラムが多く、ハードウェアに関する知識が必要になるからです。
ハードウェアとは、電気回路や電子機器のことです。
例えば、C言語を覚えるなら一緒に
- 回路図の読み方
- モーターが回転する仕組み
- 通信の仕組み(シリアル通信、パラレル通信など)
を覚えておくとよいでしょう。
ものすごく難しそうなんですけど…
C言語だけでも精一杯なのに、そんなことまで覚えるなんて無理ですよ…
全部を知る必要はないので大丈夫ですよ!
ハードウェアの勉強と言うとかなり難しく感じるかもしれませんが、そこまで難しく考える必要はありません。
回路図 | 見方と基礎的な記号を知っていればOK |
モーター | 仕組みが分かればOK |
通信 | 種類と仕組みが分かればOK |
この程度のレベルでOKです。
組み込み系の開発をする時は、ハードウェアを設計する人と一緒に仕事をすることになります。
その時、話が通じる程度に覚えていれば大丈夫ということです。
ハードウェアのことを知らなくて仕事をしてもイヤな顔はされないんですか?
それはお互い様だから大丈夫ですよ!
ロボットなどの開発をする以上、ハードウェアの知識もマスターしないといけないと感じるかもしれませんが、その必要はありません。
もちろんマスターしているのが一番ですが、話が通じる程度の基礎知識があれば大丈夫です。
理由はプログラマーとハードウェアを設計する人は、それぞれが得意分野を担当しながら製品を開発していくからです。
ハードウェアを設計する人は、プログラムのことを知らない人も多くいます。
それと同じでプログラマーがハードウェアのことをあまり知らないのもハードウェアを設計する人にとっては当たり前のことなのです。
ただ、協力して仕事をする時、話が通じないと仕事ができませんよね。
また、ハードウェアに関する知識がゼロではモーターやLEDなどの電子機器を動かすプログラムを作ることもできません。
そのため、最低限のことは知っておきましょうということです。
回路図の読み方もモーターの仕組みも通信の仕組みも全てネット上で調べることができます。
C言語の勉強をする時は、これらのハードウェアに関する知識も勉強をすることをオススメします。
まとめ
それではまとめです。
- C言語は、自動車、家電、IoT製品、産業ロボット、ゲーム等の開発で利用する
- ロボットや機械の開発をしたいならC言語を勉強するべき
- スマホアプリ、ゲーム、WEBサービスを開発したいならC言語はやるべきではない
- C言語を使った開発ではテレワークは少ない
- C言語は、文法の勉強 → 電子工作という手順で勉強をすると効率よく勉強できる
- C言語を覚えるならハードウェアの知識も一緒に覚えると良い
以上になります。
C言語は勉強段階では黒い画面に文字を映すだけね退屈ですが、製品開発になると、
- モーターを使って物を動かす
- 他の装置と通信をする
など、楽しい内容の開発もたくさんあります。
C言語を使った開発は世の中の役に立つ製品の開発になるのでやりがいがある仕事になります。
C言語は難しいと言われますが、難しさ以上に楽しいこともあるので、ぜひがんばって勉強してくださいね!
C言語の難しさについてはこちらの記事でまとめてあります。

C言語を学ぶのであれば役に立つ内容なので、もし良かったらこちらもぜひ読んでみてくださいね。