フリーランスのプログラマーとして独立するためには準備が大事です。
でも、準備と言われてもどんな準備をすればいいのかわかりませんよね。
そんな時、誰もがやってしまいがちな失敗があります。
今回はその失敗についてお話したいと思います。
加えて、私が会社員からフリーランスになるまでに行った準備で役に立った物をご紹介させていただきます。
フリーランスを目指しているのであればぜひ参考にしてください。
フリーランスになるための準備でやってしまう失敗とは?

フリーランスを目指すために、これからWEB開発の勉強を始めようと思います!
ちょっと待ってください!
その勉強は要らないと思いますよ!
フリーランスになる準備でやる失敗、それは
フリーランスになるために新しいスキルを習得しようとすること
です。ここで言うスキルとは、
- 新しいプログラミング言語
- 使ったことのないシステムやフレームワークの習得
などを指します。
フリーランスになるためにこのような新しいスキルの習得は不要です。これは特に大事なことなので絶対に覚えておいてください。
新しいスキルが不要な理由
それでは、なぜ新しいスキルは不要なのか?
理由としては、新しいスキルを身に付けたところで実務経験が無ければ仕事を受けることができないからです。
これは例えるなら、寿司屋で修業をした寿司職人が独立するために牛丼の作り方を勉強するするようなものです。
「いやいや…寿司屋になれよ!」って思いますよね。
でも、実際に自分がフリーランスになろうとすると、牛丼の作り方を勉強してしまう人がたくさんいます。
- 今の自分の技術では仕事が取れないかも…
- 新しい技術を身に付けた方が仕事の選択肢が広がる!
- 最新のスキルの方が仕事が取りやすい
そう考える気持ちは分かります。
でも、それを覚えたところで実務経験のない仕事を受けることはできません。

例えばあなたが骨折をしてしまったとした場合、外科になりたての眼科医にお願いしますか?きっとしないですよね。それよりも経験豊富な外科医にお願いしたくなりますよね?
これと考え方は同じです。
仕事の依頼主が、あなたに期待しているのは新しく身に付けた技術ではなく、あなたがこれまでに経験してきた一番得意としている技術です。
それだけは絶対に忘れてはいけません。
フリーランスのプログラマーは、今あるスキルで勝負するのが基本です。
そのため、フリーランスになる前に勉強するのであれば、新しいスキルではなく、今、持っている一番の武器を磨く勉強をするようにしましょう。
なぜ新しいスキルを覚えなさい!と言われるのか?

そう言っても、プログラマーは常に新しいスキルの習得が必要と聞きましたよ!
そうですね!でも、それはある程度、信頼を積み上げてからの話ですね!
プログラマーの仕事は技術の進歩が早く、常に新しい技術を習得することが求められます。
これは先ほど話した「新しい技術は不要」という話と矛盾します。では、なぜこのようなことが言われるのでしょうか?
この理由は、新しいスキルは信頼関係ができた後で役に立つからです。
例えば、新しいプログラミング言語やフレームワークを使ったアプリ開発を誰かに依頼したいとします。
その時、あなたが依頼主なら誰に頼むでしょうか?
その言語やフレームワークを得意としている取引先があれば、そこに依頼するのが一番ですが、もしお金やスケジュールの都合で頼めなかったとしたら…?
恐らく、信頼できる知人のプログラマーに頼みますよね?
技術力も人柄も分からない人に頼むくらいなら、技術力も人柄も分かっている知人の方が仕事がやりやすいだろうし、仕事の出来具合も想像できるからです。
このような場合は、実務経験が無くても新しい仕事に挑戦することができます。

このようなチャンスは突然発生します。このチャンスを逃さないためにも、プログラマーは常に新しい技術を身に付けておく必要があります。
実際に私も、過去に仕事をした取引先から、新しいスキルを使った仕事の提案をされたことがあります。(その仕事は流れてしまい受けることはできませんでしたが…)
また、他には、フリーランスのエージェントの方も「実務経験が無い仕事を受注するためには、まずは信頼を得ることが大事」と仰ってました。
新しいスキルを磨くは、フリーランスになってからでも遅くありません。
フリーランスになる前は、取引先からの信頼を得るためにも、自分が一番得意なことで仕事を受け、信頼を得てから新しいスキルを使った仕事ができないか相談するようにしましょう。
フリーランスになる前に勉強した方が良いスキルはあるのか?

なるほど…
でも、何もしないのも不安ですね…
本当に新しいことは何も勉強しなくていいんですか?
中には知っておいた方がいいスキルもありますよ!
「フリーランスになる前に新しいスキルは不要」と言いましたが、中には身に付けておいた方が良いスキルもあります。
それは
- Git
- Zoom、Google Meet など
- Word、Excel など
これらのツールの使い方です。
これらのツールは、プログラマーであればどんな業務でも利用します。これら基礎的なツールに関しては、使えないのであれば使えるように勉強しておくべきです。
特にGitに関しては、開発の現場では必須のツールになります、
SourceTreeやTortoise等のGUIを使った操作だけでなく、コマンドを使った操作も覚えておくと、将来的にとても役に立ちます。
ここまでのまとめ

それでは、ここまでの話をまとめです。
フリーランスはこれまで自分が経験してきた技術を使って仕事をするのが基本です。
そのため、フリーランスになるために、新しいプログラミング言語やフレームワークの使い方を覚える必要はありません。
ただ、信頼を構築した後であれば、新しいスキルを使った案件の依頼が来る可能性もあるため、フリーランスになった後は、新しいスキルは積極的に習得していくべきです。
あと、プログラマーの仕事で必ず使うツールに関しては事前に習得しておいた方が良いです。
ここまでのまとめは以上になります。
フリーランスになる前に行った6つのこと

それでは、次は私がフリーランスになる前に行った準備で役に立ったものをご紹介します。
具体的には以下の6つになります。
- 貯金
- 簡単な副業
- 転職エージェントとフリーランスエージェントへの登録
- お金の勉強
- できること、できないことの整理
- 取引先への挨拶
①から④はフリーランスになると決意してから始めた準備になります。そのため、数年かけて準備をしました。
⑤と⑥に関しては、退職直前に行ったものになります。
私がフリーランスになると決めてから感じた不安は
- お金の不安
- 無職の不安
この2つです。
そのため、辞める前にこの2つの不安が少しでも減るよう準備をしました。それでは、それぞれについて、どんな点で役に立ったのかご説明します。
1. 貯金
貯金は金銭面の不安を消すのに役立ちました。
フリーランスになると、会社員と違い、毎月の安定した収入が無くなります。そのため、手元にある程度まとまったお金があると安心感に繋がります。
貯金額は、一年分の生活費を目安にしました。
一年分にした理由としては、先にフリーランスになった知人から、「一年頑張ってダメならサラリーマンに戻ればいい」とアドバイスを受けたので、最低1年は無収入でも生活できるだけの貯金をしました。
お金が無いと仕事に集中できない!
実際、フリーランスになって感じたことは、「手元にお金が無いと不安で堪らなくなる」ということです。
私の場合、退職金が入るまではお金にそこまで余裕がなかったため、その間は不安で仕方ありませんでした。
お金が無い状態は、例えるなら、水を求めて砂漠をさまよっている状態です。これでは自分のビジネスに集中できません。
フリーランスになると、最初は分からないことばかりです。その中で自分の力を最大限に発揮するには、可能な限り不安はなくしておかないといけません。
お金の不安は、それだけで仕事のパフォーマンスを下げます。自分の力を最大限発揮するためにも、1年間は無職でも生活できるだけの貯金があった方がいいでしょう。
2. 簡単な副業
副業は不安の軽減と無職の劣等感を無くすのに役立ちました。
プログラマーの副業と言うと、クラウドワークスやランサーズで案件を受けることを考えますが、私はWeb系のプログラミングの知識が乏しかったため、クラウドワークスやランサーズでは思ったように仕事が受注できませんでした。そのため、Udemyで講師をしてコースの販売をしました。
副業で収入があると、仕事が無いときの収入源になるほか、精神安定剤としての効果もあります。
無職になると最初は嬉しいですが、期間が長くなると不安や劣等感が出てきます。そのような時、副業をしていれば「仕事をしていない」という劣等感を感じずに済みます。
さらに、副業の稼ぎが多ければ、お金の不安も軽減できるし、それを本業にする選択肢も出てくるため、フリーランスになった後の安心感が全然違います。
実際に、私の友人はフリーランスになった後、ココナラで副業を始めましたが、それが軌道に乗ったため、ココナラを本業にしてしまいました。
このように、副業をすることで仕事の選択肢が増えることも期待できるため、フリーランスになる前に、小さくてもいいから何かしらの副業をすることをオススメします。
3. 転職エージェントとフリーランスエージェントに登録
転職エージェントとフリーランスエージェントへの登録は情報収集の助けになりました。
私はフリーランスになると決めてからすぐに転職エージェントとフリーランスエージェントへ登録をしました。
「とりあえず何か行動する」という理由で登録をしたのですが、これは結果として、かなり役に立ちました。
何の役に立ったかというと
- 自分の価値の確認
- プログラマーの年収の確認
この2つです。
私は一つの会社で長く勤めていたため、世間のプログラマーの年収の水準が分かっていませんでした。
おまけに自分の年代、同じスキルレベルの人たちがいくらもらっているかも分かっていませんでした。
ても、エージェントの方とお話をすることで
- 自分のスキルレベル
- 自分の技術で何ができるか
- 自分の技術が他の会社で役に立つか
これらについて確認することができ、視野がかなり広がりました。
転職エージェントやフリーランスエージェントは冷やかしで登録するものではありませんが、転職やフリーランスになることを望んでいるのであれば、退職が決まっていない状態で登録をしても大丈夫です。
エージェントの話には注意が必要
転職エージェントやフリーランスエージェントの方からお話を聞く時は、話の内容がポジショントークになっていることもあるので注意が必要です。
例えば私の場合、「フリーランスになることも考えている」と転職エージェントに話した所、フリーランスはやめた方がいいという話をアドバイスを受けました。逆にフリーランスのエージェントからは。フリーランスの方が会社員よりも良いという話をされました。
このようにエージェントの方は、当然、自分のサービスを売り込む話しもするため、中には偏った意見が混じることもあります。
お話を聞く時は、情報の偏りがあることを認識したうえで、自分で情報を取捨選択する必要があります。
エージェントの方はとても有益な情報を提供してくれるし、仕事探しのお手伝いもしてくれます。
世間の事情を知れば、転職するか、フリーランスになるか、そのまま今の会社を続けるかを判断することも出来るようになります。
自分の価値を確認するためにも転職エージェントとフリーランスエージェントに登録して、話を聞くことをオススメします!
4. お金の勉強
お金の勉強は、フリーランスになることに対する不安を消すのに役立ちました。
フリーランスになった時の一番の不安はお金になりますが、その中でも
「毎月いくらの収入があれば今の生活水準が保てるのか?」
私はこれが全く分かりませんでした。
この問題は税金に対する知識を身に付けると解決します。
フリーランスになる前にお金の勉強をすることで、
- どんな税金が必要か?
- その税金はいくらになるのか?
これらを知ることができました。
税金が分かれば、毎月いくらの収入があれば生活が保てるかも計算できます。
これにより将来が明確に想像できるようになり、フリーランスになることに対する不安が小さくなりました。
フリーランスになった後のお金の勉強はネットでもYouTubeでもすることができます。
これは今すぐにでも始めれることなので、フリーランスになった後のお金について無知であるならば、すぐに勉強することをオススメします!
5. できること、できないことの整理
これはフリーランスになった後、案件探しをするときに役に立ちました。
できること、できないことの整理というのは、今、自分のスキルでどんな仕事ができるのかを理解する、ということです。
例えば、私の場合、
- C言語を使った組み込み開発
- C++を使ったアプリ開発
- C#を使ったアプリ開発
これらを実務で行っていたので、C言語、C++、C#を使った仕事を中心に仕事を探すことにしました。
逆に、Web系やゲーム開発の仕事は興味はあったものの、実務経験が無かったため、候補からは外すことにしました。
先ほどもお話しましたが、実務未経験ではほぼ仕事が取れません。そのため、それに時間を割くのは非効率です。さらに仕事が取れたとしても、経験不足の場合、報酬がかなり少なくなる可能性もあります。
修行と割り切れるなら良いですが、フリーランスになりたてのころは、サバイバル状態なので、最初は無理をするのは得策ではありません。
また、フリーランスは業務委託契約がメインになるため、仕事ができないは許されません。余計なトラブルを避けるためにも、自分ができる事とできない事は理解しておくべきです。
できることでアピールした方が、仕事を受託できる可能性も高くなります。そのため、いち早く仕事を取るためにも、できる事とできない事の仕分けをすることをオススメします。
6. 取引先への挨拶
取引先への挨拶は、コネの構築につながりました。
コネを意識して挨拶をしたわけではありませんでしたが、私の場合、結果として、取引先へ挨拶したことで仕事を得ることができました。
私は同じ会社で10年以上勤めていたため、取引先の担当者と少なからず親交がありました。そのため、辞める直前にその取引先の担当者の方、一人一人にメールや電話で挨拶をしました。
最近では人と人の繋がりが希薄になりつつあるため、挨拶も無く辞めてしまうことも少なくありません。でも、せっかくできたご縁を無くさないためにも、感謝を込めてあいさつをしました。
取引先の中には、ご連絡をくださった方もいて、そこから話が発展して、フリーランスになった後、仕事をもらうことができました。
仕事を辞めて独立する場合、前の会社で築いたコネを使うのはカッコ悪いと感じるかもしれませんが、全くそんなことはありません。
コネは双方にメリットがあるため、むしろ積極的に使うべきです。
フリーランスになった後、仕事をもらうにはある程度の実績や信頼が必要になります。それを証明するのがポートフォリオや業務経験になるのですが、コネであればお互いを理解しているので、信頼や実績を1から築く必要がありません。
これはお互いにものすごくメリットがあることになります。
フリーランスを目指すのであれば、今ある人間関係を維持することはポートフォリオを作る以上に大事です。せっかく築き上げた人間関係を捨ててしまうことの無いよう注意をしてください。
事前にしっかりと準備をしよう!
以上が私が退職前に行った準備で役に立ったものになります。
私は、これらの準備のおかげで、退職後にスムーズにフリーランスとして活動を開始することができたのですが、それでも、色々とトラブルがあり、最初の2ヵ月は無職の状態でした。
その時は、とても不安でしたが、
- 貯金
- 副業
- エージェントのサポート
- コネ
これらがあったおかげで、「なんとかなる!」と思うことができました。
先ほどもお話をしましたが、無職の期間は長くなればなるほど不安が増してきます。
その不安な時期を乗り切るためにも、事前にしっかりと準備をするようにしてください。
まとめ
それでは今回のまとめです。
- フリーランスになる時に新しいスキルの習得は不要!
- フリーランスは自分が持っている技術を活かして仕事を取る!
- 取引先との信頼が構築できれば、新しいスキルを使った仕事に挑戦できる可能性もある!
- Git、Zoom、Word、Excel 等、どんな仕事でも使うツールは使えるようにしておくべき!
- フリーランスになるとお金と無職の不安が出てくる
- お金と無職の不安を消すための準備を事前にした方がいい
- フリーランスになった直後はやることが多いため、事前に準備できることはしておくこと!
以上となります。
フリーランスになるということは、安定した給料を捨てるということです。
退職をすれば、安定した給料が貰えなくなるので将来がとても不安になると思います。
実際、私も退職前はものすごく不安でした。
だからこそ準備をしてください。準備をしておけば不安は軽減されます。無くなりはしませんがかなり軽減されます。
そして、数カ月もすると安定した給料が無いことに慣れます。働いた分だけ報酬を得るという生活に慣れてきます。そうなれば、もう立派なフリーランスのプログラマーです。
フリーランスが不安なのは恐らく経験したことが無いからです。一度経験すれば不安はすぐに消えますよ。
フリーランスはデメリットが多いと感じるかもしれませんが、完全に実力の世界なためメリットもたくさんあります。
例えば、報酬は交渉次第なため、半年後に月収5万円アップとかも普通にあります。また、サラリーマン以上に節税もできるため、法の許す範囲でなら節税により手残りを増やすこともできます。
また、新しい人脈もたくさんできて世界が広がってきます。
あなたもフリーランスを目指しているのであればぜひチャレンジしてみてください。
ただ、準備をしておかないと苦労をするので、ここで挙げたことを参考にして、事前に準備だけはしておいてください!
がんばってください!応援しています!
最後に、フリーランスの年収と手取り額に関しては、以下の記事で具体的な数字を出して計算しています。ぜひ参考にしてください。
