フリーランスのプログラマーの年収はどれくらいあるの?
フリーランスは収入も不安定だし、ちゃんと生活できるのかなぁ?
会社員と比べて年収が高いかも分からないよね…
それはフリーランスになることを考えるなら誰もが持つ疑問ですね!
今回は私が、自分の経験を基にフリーランスプログラマーの年収についてお話をしていきたいと思います。
具体的な数字を出して毎月、手元にいくら残るのかも計算していきます。そのため、これを読めば、あなたがいくらの報酬を得ればフリーランスとして生活できるのか判断ができるようになります。
後半ではフリーランスプログラマーとして年収を上げる方法やフリーランスになる前に知っておきたい失敗例もお伝えするので、ぜひ最後まで読んでみてください!
フリーランスプログラマーの年収はどれくらい?
早速ですが、まずはフリーランスプログラマーの年収についてお話をします。
フリーランスプログラマーの年収は案件によっても変わりますが、一年間、フルで働いた場合でおおよそ600万円~840万円程度です。月額にすると50万円~70万円になります。
報酬額は仕事内容により様々ですが月50万円~70万円の範囲が多いです。中には高単価の仕事もあり、実務経験と技術が伴えば、月80万円や100万円を超える人もいます。逆に技術力が無ければ上記よりもっと低単価になる人もいます。
フリーランスの仕事は、報酬額の書き方が「~60万円」というように上限のみ設定されていることがほとんどです。これは技術や経験により報酬額が調整されることを意味します。
このようにフリーランスは実力で全てが決まる働き方になります。
何を作るプログラマーが高年収?
プログラマーには
- WEBプログラマー
- ゲームプログラマー
- 組み込みプログラマー
というように色々と専門分野があります。
では、どのプログラマーが一番高年収なのでしょうか?
答えはどれもさほど変わりません。
どんな分野でも高単価の仕事はあるので、技術力が高ければ高年収も可能です。
ただ、WEB、VR、メタバース、仮想通貨といった高難易度で新しい技術を使う仕事の方が報酬の高い仕事が多くなります。
報酬がいくらあれば生活していけるのか?
年収はなんとなくわかりましたけど、実際、月にいくらあれば生活できるんですか?サラリーマンよりもお金がいるんですよね?
フリーランスは保険も年金も全部自己負担になるからサラリーマンよりもたくさんのお金が必要になります!
例を出して計算をしてみましょう!
報酬(月) | 55万円 |
家族 | 配偶者:1人 子供:1人 |
このケースを例に計算をします。
フリーランスの報酬は、サラリーマンの税引き前の給料と同じです。そのため、報酬から諸々の費用を引いた金額が手取りになります。
それでは、55万円から諸々の金額を引いて手残りを計算してみたいと思います。(※計算はあくまで概算になります)
月収55万円から手残りを試算してみる
■ 源泉徴収税
あれ?個人事業主は所得税を自分で納めるんじゃないんですか?
必ずそうとは限りませんよ。
業務委託の場合、取引先が所得税を源泉徴収することはよくありますよ。
まずは源泉徴収税を取られます。これは所得税の前払いです。
個人事業主の場合、所得税は基本的に自分で計算して納付することになりますが、業務委託の場合、委託先の企業が報酬から所得税を源泉徴収することはよくあります。
源泉徴収税の税率は10.21%ですが、報酬額が100万円を超えると20.42%となります。
源泉徴収された所得税は、年末に所得を計算し、確定申告をすることで払いすぎた分を返金してもらうことができます。
源泉徴収税は、ただの所得税の先払いです。損をしているわけではないので誤解をしないようにしてください。
※ 源泉徴収税は消費税を含まない報酬額に対して課税されます。
55万円 – 5.105万円 = 49.895万円
■ 消費税
次に消費税を引きます。
消費税も取られるんですか…
インボイス制度が始まったので取られてしまいますね…
2023年10月以降はインボイス制度により個人事業主も適格事業者であれば消費税の支払いが必要になります。受け取った報酬の10%が消費税になるので、次はそれを差し引きます。
消費税を引き忘れると、忘れた頃にいきなり税金の請求が来ることになるので、必ず引いておいてください。
49.895万円 – 5.5万円 = 44.395万円
消費税はみなし経費を使うことで節税できる場合もあります。
今回は10%で計算をします。
■ 健康保険料
次は健康保険料を引きます。
フリーランスは社会保険に加入できません。そのため、国民健康保険に加入することになります。
国民健康保険は全額自己負担です。(※サラリーマンの社会保険は半額は会社が負担してくれます)
また、国民健康保険には扶養家族が無いので家族の保険料も全て自己負担になります。
国民健康保険の保険料は前年の年収により変わります。ここではざっくり計算ですが、夫婦で7万円を引くことにします。
44.395万円 – 5万円 = 39.395万円
国民健康保険料の計算は以下のサイトで概算の金額を計算することができます。
■ 年金
次に年金を引きます。
フリーランスの年金は国民年金です。国民年金の金額は毎年変わります。ここでは一人につき1.65万円、夫婦二人で3.3万円で試算します。
39.395万円 – 3.3万円 = 36.095万円
■ 個人事業税
フリーランスは、個人事業税を支払う必要があります。
今回は仮に月0.5万円で試算します。
36.095万円 – 0.5万円 = 35.595万円
個人事業税は年間の所得が290万円より少なければ不要です。
■ 住民税
次は住民税を差し引きます。
住民税はほぼ10%です。仮に所得税は月2万円、住民税は月2万円で計算します。
35.595万円 – 2万円 = 33.595万円
■ 退職金・年金
ここからは任意の貯蓄になります。
フリーランスは退職金がありません。また、年金が国民年金のみになるので、サラリーマンよりも将来受給できる年金が少なくなります。
そのため、退職金と年金を自分で積み立てる必要があります。積み立て方法としては、小規模企業共済やiDecoといった制度を利用すると節税しながら積み立てることができます。
例えば、小規模企業共済2万円、iDecoで2万円として、月に4万円ずつ積み立てることにします。
33.595万円 – 4万円 = 29.595万円
■ 無給期間の備え
最後に、フリーランスの場合、無給になる期間がゼロとは限りません。
そのため、無給期間に備えた貯蓄もしておくべきです。今回は、仮に毎月7万円を貯蓄することにします。
29.595万円 – 7万円 = 22.595万円
これが手取りになります。
手取りはかなり減る
無給期間の備えが多すぎかもしれませんが、フリーランスは、突然仕事が無くなったり、仕事が無い期間が長くなる可能性もゼロではありません。そのため、稼いでいるうちに備えておくことが基本になります。
今回、試算をすると手取りがかなり少ないと感じたかもしれませんが、正直、これはかなり厳しめな計算です。実際は生活費が足りないのであれば、退職金の積み立てや無給期間の備えの額を減らしてもう少し手取りを増やす方が現実的です。
ただ、月の報酬が55万円であっても、手取りはかなり減るということだけは分かっていただけたかと思います。
フリーランスの税金はサラリーマンのように毎月天引きされるわけではありません。そのため、実際の手取りはかなり多くなります。ただ、税金の分は後ほど消えるお金になるため、支払いに備えて自己管理をする必要があります。
フリーランスのプログラマーの年収アップの方法は?
こんなに減ると思いませんでした…
思った以上に残らないんですね…
でも、技術が高くなれば報酬も上がるし、節税もできますからね!
そうすればもっと手取りは増えますよ!
フリーランスは案件次第で報酬が大きく変わります。今回は55万円で試算しましたが、これが60万円になれば手取りもそれだけ増えることになります。
サラリーマンで給料を5万増やそうと思ったら何年掛かるか分かりませんが、フリーランスでは案件次第で報酬5万アップは十分期待できます。
また、フリーランスは個人事業主になるため、法の許す範囲で節税することも可能です。
「努力次第で収入が大きく変わる!」
これがフリーランスの良いところになります。
報酬を増やすにはどうすればいいのか?
フリーランスで報酬を上げるにはどうすればいいんですか?
方法は色々あると思いますが、3つほどご紹介しますね!
報酬を増やす方法としては
- 高単価の仕事を受ける
- 時間単価を上げる
- 直接仕事を受ける
この3つがあります。
高単価の仕事を受ける
フリーランスの仕事は報酬が一定ではありません。そのため、高単価の仕事を受けることで年収をアップすることができます。
ただ、高単価の仕事は技術力が高い内容も多く、競争率も高くなるため、仕事を受けること自体が難しくなります。
時間単価を上げる
フリーランスの仕事は、拘束時間がある仕事と無い仕事があります。
フリーランスエージェントを通して得る仕事は、拘束時間があるものが多く、この場合は時間単価のアップが難しいです。
しかし、拘束時間が無い仕事であれば、期限内に仕事を終えればいいため、作業効率次第では時間単価を上げることができます。
例えば、月収55万円の仕事を一ヵ月で終わらせる場合、一ヵ月掛けて仕事をすれば月収55万円ですが、半月で終わらせた場合、半月で55万円の働きということになります。これは時間単価が2倍になったことになります。
実質、ひと月で55万円しか報酬は受け取れませんが、半月は時間に余裕ができるため、その時間を使って別の仕事をすることも可能です。
このように時間拘束が無い仕事は、自分の能力次第で実質的な報酬アップが可能です。
直接仕事を受ける
フリーランスの仕事はエージェントを通して仕事を受けることも多いですが、エージェントを介さず直接仕事を受けることで報酬アップが期待できます。
フリーランスの仕事をエージェント経由で受ける場合、報酬の一部は手数料として徴収されています。つまり、この手数料が無ければもっと高い報酬が期待できるということです。
ただ、フリーランスエージェントを利用する場合、紹介先の企業から直接仕事を受けるのは規約違反です。そのため、エージェントを通さず仕事を得るのであれば、自分のコネを頼る必要があります。
エージェントを介さず仕事を受けることができれば、手数料は発生しないので、期待以上の高単価で仕事を受注できる可能性もあります。
誰でもフリーランスのプログラマーになれるのか?
フリーランスって夢がありますね!
僕もすぐになってみます!
気持ちは分かりますが、フリーランスは誰でもすぐになれるってわけではありませよ!
フリーランスのプログラマーとして活躍している人は世の中にたくさんいます。
でも、全てのプログラマーがすぐにフリーランスになれるわけではありません。
フリーランスの仕事では、個人事業主として仕事をすることになるため、ある程度の技術と経験が求められます。
フリーランスの失敗例
それでは、最後にフリーランスになろうとして失敗をしてしまった2つの例をご紹介します。
失敗例1
私の知り合いに入社2年目の若手プログラマーA君がいました。A君は、会社がリストラを行った時に退職をし、その後、フリーランスとして働こうとしたのですが、実務経験が無かったため全く仕事が取れませんでした。
失敗例2
次は、私の失敗談になります。
私はプログラマーとして約20年働いた後、フリーランスとして活動を始めました。フリーランスになった後は、新しい技術を身に付けたいと思い、WEB、ゲーム、メタバースといった新しい技術に関する仕事を探しました。しかし、実務経験がないため、それらの仕事では商談にすら進むことすらできませんでした。結果として、数カ月間、収入の無い生活をすることになりました。
経験が無い仕事はできない
この2つの例からもわかるようにフリーランスとして働くためには技術と経験が必要になります。仮に10年以上プログラマーをしていても、技術的な関連性が無い仕事では受託できる可能性は低いです。
この内容に関しては、以下の記事で詳しく書いています。フリーランスになるための準備についても書いているので、フリーランスを目指すのであれば、ぜひ参考にしてください。
まとめ
それでは今回のまとめです。
- フリーランスのプログラマーの年収は600万~840万円くらい
- 報酬を得ても、必要なお金を引くと手残りは半分くらいになる
- フリーランスの仕事で月収5万円アップは十分あり得る
- フリーランスは節税で収入アップも可能!
- 高単価の仕事は技術力が必要で競争率が高い
- 拘束時間が無い仕事は時間単価を上げることで実質的な報酬アップができる
- コネを使って仕事を受けると報酬がアップしやすい
- 誰もがフリーランスになれるわけではない
いかがでしたでしょうか?
フリーランスのプログラマーの年収は意外と高いと感じたのではないでしょうか?
でも、税金が高かったり、社会保障が弱いというデメリットもあるのでサラリーマンとどちらが良いのか迷うところだと思います。
参考までに、私の個人的な意見を言うと、私はフリーランスの仕事は報酬以上にやりがいを感じています!
実力で全てが評価される仕事なため、自分の努力次第で報酬アップも期待できるし、学べば節税で年収を上げることも可能です。
自分の努力が報酬アップという分かりやすい結果に直結しているため、高いモチベーションで仕事をすることができています。
安定した収入が無くなるのは怖いですが、意外となんとかなるもんですよ(笑)
あなたもフリーランスになってみたいと思っているなら、ぜひ一度挑戦してみてはどうでしょうか?
ダメならサラリーマンに戻ることも可能です!一度しかない人生、最大限に楽しんでください!
私は応援しています!がんばってくださいね!